おひとりさま備忘録

とりとめのない日常のぼやき

温泉

田舎には温泉があり、引っ越してきて直ぐにはあちこち行ってみた。源泉掛け流し。良い響きだけど清潔感のない公衆浴場が多すぎて萎えた。

もともと、カサカサ系のアトピー性皮膚炎だけど旅先で温泉に入るくらいでは気づかなかった事実が発覚した。

アルカリ性の美人湯とか言われるヌルヌルした温泉は入浴した晩に死ぬほど全身が痒くなる。勿論、入浴の最後にはシャワーを浴びているけれど旅行で夕飯前に普通に入浴するだけよりも本気で温泉に行くので入浴時間が長いのが原因だとも言えるけど。夜中にあちこち搔きむしり、朝には血の匂いがするという恐ろしい体験から泉質を選んで温泉に行くようになった。

結果分かったことがある。宅風呂でも長湯して汗をかきすぎると、顔がかゆくなる。

 

行きつけになった温泉。休日の同じ時間帯に行くと常連さんも同じ顔ぶれが多く、誰も名前など聞かないけれど「また来たねぇ」とか「よく来たねぇ」なんて言われて会話するようになった。

美味しいものの話題が好きだった。私の知らない食材、主に山菜だけどその調理法などを常連のおばあさん達に教えてもらったりしたのが楽しかった。

かなり回数を重ねてきた頃、常連同士の人間関係が分かってきた。それから、よそ者を邪険にする人がいる事も分かった。

常連の人たちは年間利用パスを購入し自宅の浴室は使わない人が多く、なーんにも無い田舎の人たちには唯一の交流の場であることを身をもって知った。

閉店間際に行けば、そのめんどくせぇ人間関係を見聞きすることは少ない事も知ったけれど、遅くに行くと片道一時間かかる私には夕飯の時間とか、暗い夜道が嫌だったり、夏は車にこびり付く虫の死骸が嫌だったりして泉質の合う一番近い温泉は行かなくなってしまった。

一昨年の12月に温泉検索をしたらオープンしたばかりの、この辺りでは首都圏にある日帰り温泉に近い施設を知りソコに行ってみた。

残念な事も多い。冬は足場が凍りつく露天風呂。場所柄スキー客や旅行客が多くマナーが悪い。夏場は猛烈な太陽と紫外線。なんで屋根がないんだよー‼︎

でも、面倒な人間関係もなく十割蕎麦が美味しいから回数券を買うこと2回目。最近、通院回数が多いので温泉に行くことが減り、有効期限までに残りを使い切れるかが目下の課題。

いつだったか、ぬる湯にボーっと浸かっていたら面白い話をしていたご婦人二人組がいて、ここらの温泉施設の酷さを話していたから私も同意し話に混ざってしまった。

でもその場だけだったのに数ヶ月後、お一人のご婦人が私を覚えていてくれて話しかけてきた。私と同じく、早くに夫を亡くし遠い地からここに引っ越してきた人。

前に偶然会ったときに電話番号を交換し、しばらく経ってしまったけれど明日は行こうと思ってることを連絡した。